知的財産に関するリスクマネジメントを説明する前に、知的財産に関してどのようなリスクがあるかを考えてみましょう。リスクは様々な分類が可能ですが、ここでは、(1)知的財産権侵害のリスク,(2)知的財産を使用されるリスク,(3)出願に関するリスク,(4)秘匿に関するリスク、の4つに分類します。
(1)の知的財産権侵害のリスクとは、他人の知的財産権を侵害してしますリスクです。有体財産に係る財産権の場合には、意図せず侵害することはあまりありませんが、無体財産に係る知的財産権の場合には、意図せずに侵害することは容易に起こりえます。
一方、(2)の知的財産を使用されるリスクとは、自身が持つ知的財産が他人によって使用されるリスクです。こちらのリスクも、無体物であるために容易に起こり得ます。
「知的財産の保護」で説明したように、知的財産を保護する方法として産業財産権を取得するための「出願」と、知的財産の「秘匿」があります。これらにもリスクが伴っており、それが(3)の出願に関するリスク、(4)の秘匿に関するリスクです。
それぞれのリスクの詳細と対処方法は個別に説明しますので、以下のリンクを辿って下さい。
このように、知的財産に関しては様々なリスクがあり、それぞれのリスクに対する様々な対処法があります。しかしながら、全ての対処を行うことは現実的ではありませんので、それぞれの事業者のビジネスモデルに応じてコストと事業への影響とを比較衡量し、それぞれの事業者の事業に適した対処法を選択することが必要です。