一般的に「特許」を取る等と言われますが、これは「特許を受ける」と言い、「特許権」を取得することを意味しています。
では、特許権とは何でしょうか。
特許法第68条には特許権の効力として、
第六十八条 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。
と、規定されています。
すなわち、特許権とは、特許発明の実施を専有する権利であり、特許権者以外の者がその特許発明を実施することを排除することができます。このような権利を独占排他権と言います。
特許権の存続期間は、出願の日から20年間となっています。
ただし、特許権が不要になった場合には、特許料の納付を停止することによって、特許権を消滅させることができます。
特許権の効力については、こちらで説明します。
ここで、「特許発明」という言葉が出てきましたが、これは
特許法第2条第2項で、
第二条
2 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
と、規定されています。
すなわち、特許発明とは、発明のうち、特許庁が特許したものをいいます。
今度は「発明」という言葉が出てきました。
発明は、一般的に言葉は使用される言葉ですが、一体どのようなものでしょう。
これも特許法で規定されています。
特許法第2条第1項で、
第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
と、規定されています。
この規定では分かり難いと思いますので、特許法上の「発明」に該当しないものの例を挙げてみます。
- 自然法則自体
- 単なる発見であって創作でないもの
- 自然法則に反するもの
- 自然法則を利用していないもの
- 技術的思想でないもの
- 発明の課題を解決するための手段は示されているものの、その手段によっては、課題を解決することが明らかに不可能なもの
Ex.永久機関
Ex.プログラミング言語,ゲームのルール等の人為的取決め
Ex.技能,情報の単なる提示,単なる美的創造物
これを見ると、一時期流行ったビジネスモデルは人為的取り決めであって特許に該当しないのでは、と思われるかもしれません。
しかし、特許請求の範囲の書き方次第で、ビジネスモデルであっても特許法上の「発明」とできる場合があります。
このように、保護を求めたい知的財産が「発明」に該当するか否かを判断することは容易ではありません。
また、保護を求めたい知的財産が「発明」に該当しない場合でも、他の権利で保護できる場合があります。
そのため、知的財産の保護をお考えの際には弁理士にご相談ください。
では、次に特許を受けるための手続をこちらで説明します。
また、特殊な特許出願はこちらで説明します。