単一性

特許請求の範囲には、複数の請求項を記載することができます。
このとき、複数の請求項に同一の発明について記載することができます(特許法第36条第5項)。
一方、一の出願の特許請求の範囲に、原則として複数の発明を記載することはできません。
ただし、複数の発明が発明の単一性を満たす場合には、一の願書で出願することができます。
発明の単一性については、特許法第37条で、

第三十七条 二以上の発明については、経済産業省令で定める技術的関係を有することにより発明の単一性の要件を満たす一群の発明に該当するときは、一の願書で特許出願をすることができる。

と、規定されています。

発明の単一性の要件は、この条文ではなく、経済産業省令で規定されていますので、経済産業省令を見てみましょう。

ここで言う経済産業省令は、特許法施行規則です。
特許法施行規則第25条の8には、

第二十五条の八 特許法第三十七条の経済産業省令で定める技術的関係とは、二以上の発明が同一の又は対応する特別な技術的特徴を有していることにより、これらの発明が単一の一般的発明概念を形成するように連関している技術的関係をいう。
2 前項に規定する特別な技術的特徴とは、発明の先行技術に対する貢献を明示する技術的特徴をいう。

と、規定されています。

これを少し乱暴に要約すると、発明の各々が、先行技術にない、同一または対応する技術的特徴を有することが、発明の単一性の要件となります。

このように、日本での発明の単一性は先行技術に左右されますので、審査過程において、単一性を満たさなかったり満たしたりします。


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